inspection劣化構造物の調査診断

資材販売倉庫 劣化調査報告書

建物概要

構造概要
構造 S造 2階建て・一部平屋
用途 事務所書及び倉庫 現在建設資材倉庫
仕上概要
外壁 正面・西面:メース60㎜メタリック調引付材
他の面:ALC50㎜ エポキシ系吹付タイル
屋根仕様 大屋根部分:カラーステンレス陸屋根ハゼ葺き
倉庫屋根 :大型折板ガルバ鋼板下地木毛セメント板
室外機置場:シンダーコンクリートの上ポリルーフFRP防水
通路吹抜け部分内壁・天井 鉄骨表し(柱梁胴縁母屋)塗装仕上げ、天井木毛セメント板表し・デッキプレート表し塗装仕上げ

1. 外壁の簡易劣化調査による劣化症状

1- 外壁

  • メース・ALC板下地部分とも、塗膜の劣化が進行、汚染、塗膜の劣化(チョーキング・ひび割れ・脱色)を確認
  • ALC板についてはひび割れ、爆裂・破損部分も確認
  • 北面の腰コンクリート打ち放し面は、微細なひび割れが発生
  • ALC板のジョイントシールは劣化症状(破断・収縮・脱色・ひび割れ)を示し、場所によっては、内部からのさび汁の流出も見られる
  • 外部設備、取付金物類のシールも同様の症状を示している
  • 外部取付金物・鋼製建具(シャッター)は塗膜の消失により、鉄部の露出で各所に錆の発生が進行をしている
  • 北面の軒樋は消失したものと、支持金物、竪樋も紫外線劣化による強度の低下がみられる
  • 1階屋根上部分2階外壁は、水切り部分などからのさび汁の流出、目地シールの劣化が著しい

2- 吹抜け天井・壁

  • 荷捌き天井・壁は下地材として使用している木毛セメント板は、アスベストの混入の可能性があり、飛散なども推測されアスベスト含有調査の上仕上げの検討を
  • デッキプレートなど鉄部は、桜島の降灰や台風時の海水の飛散・付着により錆腐食が進行、塗膜の剥がれや飛散が推測される
  • 構造材及び鉄骨下地材(天井野縁・母屋・壁材の胴縁)は、鉄骨現わし及び雨掛り部分で錆腐食が各所で見られる

3- 屋根屋上・・・3種類の屋根材

室外機置場・・シンダーコンクリート押さえの上ポリルーフFRP防水

  • 屋上部分ドレン周りや風溜まり部分に桜島の降灰が堆積・・ドレンの排水不良が生じている
  • 現状ではシート面FRPシートがめくれ防水機能は無い物と推測するが、シンダーコンクリートで止水されているのか

通路上折板屋根・・山型折板

  • トプライト周の硝子破損・・熱割れ
  • 水切り部分は面子内部に降灰が堆積し、鋼板の錆腐食の可能性大・・全面取外し、防錆剤処理の上復旧
  • 折板屋根面に錆腐食があり、全体に塗装の時期と推測する
  • 水切り部分のシール等も劣化症状を示す

大屋根部分・・カラーステンレス鋼板ハゼ葺き

  • 全体的に屋根面の腐食穴あき等は確認できないが、荷捌き倉庫部分からの目視では、漏水の可能性部分があり専門的に調査が必要(ハゼ閉め付き不良による漏水)
  • 各水切り・笠木部分はジョイント部分の隙間の拡大・シールの劣化等により下地材が錆びている状態(外部にさび汁の流出)全面取外しの上、下地金物を確認、笠木受金物の取替えが必要と思われる

2. 劣化症状からの総合評価

  • 外壁面は、全体的に詳細な劣化調査を必要とするが、目視・簡易調査で塗膜・シーリングの劣化はかなり進行、塗替え切取り打替えの時期は過ぎている
  • 特に著しい劣化による、第三者への災害の発生に結びつくようなものは確認できない
  • 室外機置場の防水については、ほぼ全面的に早急な防水を実施する必要がある
  • 雨掛り部分の鉄骨、錆腐食が進行特にボルト部分の錆の進行は、構造的な問題でもあり早急に処理が必要
  • 大屋根の棟板金は、とりつけ金物の異種金属電界腐食による穴あきがあり、強風時の飛散の恐れ及び雨水の浸入による漏水の可能性が大、取替が必要
  • 水切り部分からのさび汁の流出があり、資産的価値の低下にもつながり見えない部分の処置も提案
  • 北面の雨樋の消失は相当長期と思われ、躯体関係に非常に悪影響であり取付けが必要

3. 今回参考見積の提案内容

  • 外壁の改修工事は、営業優先で営業上支障の無いよう高所作業車等で作業を行い、作業範囲も調整可能な状況での仮設計画とした
  • 外壁の仕上げ材は、全面高耐久性の工法で検討・・ポリマーセメント系防水材での提案とした・・紫外線劣化の抑制
  • 壁面の塗装は、目地廻りの防水処理の上、シリコン系塗材で施工
  • 倉庫等との取り合い部分及び壁面はテントを可動式の庇で検討・・・建築基準法上、建蔽率の関係による屋根・壁の主要構造部増築は不可。